アドレスV125Sのエンジンオイル交換

アドレスV125S
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【実践】アドレスV125Sのエンジンオイルを交換

 エンジン整備の基本中の基本、オイル交換です。基本であるがゆえに極めて重要です。整備の中の登竜門ですね。エンジンオイル交換が出来るようになってから、徐々に整備の範囲を広げて行くのが良いのではないでしょうか?バイクの中でもスクーターは常用回転数がかなり高めですので、オイルの負荷も高めです。定期的に交換してエンジントラブルの未然防止に努めましょう。オイル交換は自分で出来れば安くあがります。その分、高目のオイルを頻度多目に交換してあげれば、エンジンはいつもご機嫌です。エンジントラブル発生したら、オイル代の何倍もコスト掛かりますので。

それでは、オイル交換の手順を解説していきます。

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準備するもの

道具編

  1. 14mmボックスレンチ(メガネレンチでも可)
  2. 8mmボックスレンチ
  3. 8mmメガネレンチ
  4. オイルジョッキ
  5. オイル受け
  6. ウエス
  7. パーツクリーナー

交換物品

  1. オイル(SAE:10W-40 API:SF/SG またはSAE:10W-40 API:SH/SJ JASO MA)
  2. オイルエレメント
  3. Oリング(大きいのと小さいの)

エレメントにOリングがセットで販売されている物もありますね。そっちの方がお勧めですね。

写真は小さいOリングが写っていません。

作業手順

作業手順は以下の通りです。

  1. オイルを抜く。
  2. オイルエレメントを交換する。
  3. ストレーナを外して掃除する。
  4. オイルを入れる。
  5. オイル汚れを掃除する。

全体の流れは以上です。オイルドレインやエレメント・ストレーナの位置を下の写真を見て把握しておいて下さい。車体の左側下部の写真です。

作業1 オイルを抜く

オイルドレインボルトの位置

オイルドレインのナットを緩めるのですが、ここでポイントが有ります。

先にオイルフィラーキャップを緩めておく。

 これも基本中の基本なのですが、液体を抜く系の作業の時は、まず入れるところが問題なく開くかどうかの確認が必須です。と言うのは、例えばエンジンオイルの場合、オイルフィラーキャップが万が一噛みこみや熱による固着などで開かない場合もありえます。その際に、先にエンジンオイルを抜いてしまうと、エンジンを掛けられなくなり、バイク屋さんに助けを求めに行くにしても、押して行くか積車に載せて運ぶ必要が有ります。オイルを抜く前にフィラーキャップの問題が分かればエンジン掛けて移動することも出来ますし、翌週までフィラーを開ける作戦考えたりする際にも、その間にバイクに乗ることも出来ます。このポイントはバイクでも、車でもエンジンオイルでもデフオイルでもミッションオイルでもクーラントでも全てに言えることですので覚えていて損はないと思います。緩めるだけで良いです。全開にするとゴミ入ったりするので、空気が少し抜けるかな?程度で十分です。念のため、フィラーキャップは車体の右側に有る、オイル入れる穴の蓋です。

それでは、改めてオイルドレインナットを緩めます。古いオイルが出てくるので、オイル受けで予め受けられるようにしといて下さい。ここで注意ですが、

オイルドレインナットのワッシャをオイル受けに落とさないように!

ナットを外すと、ワッシャがナットに付いている場合と、エンジン側に付いている場合が有ります。ナット側に付いているなら問題ないのですが、エンジン側に付いると、ポトンとオイル受けに落ちてしまいます。あとで回収すれば良いのですが、落とさないに越したことないので、ご注意ください。

あと、「スズキ車あるある」なのですが、新車からの初オイル交換ですとワッシャがナットから外れないことが良くあります。ワッシャ自体が潰れてシールしているのですが、潰れ方のせいでナットに噛みこんでしまっている個体が多いです。なんとか頑張って外して下さい。手では無理です。ナットをレンチ等で固定してウォーターポンププライヤーで無理やり回すか、ワッシャは再利用しないので、破壊してしまっても良いです。ただし、ナット側にはあまり傷つけないように注意して下さい。ドレインプラグが外れたら、暫く放置で完全に抜けきるまで置いときます。抜けたらドレインプラグを綺麗に掃除します。ここでも、ポイント書きます。

エンジン側のドレインを綺麗に掃除する

 結構汚れていることも有ったりします。新しいワッシャでシールはされるのですが、凹凸は少ない方が良いです。綺麗にしておきましょう。新しいワッシャを入れて締めます。締め付けトルクは18N・mです。

作業2 オイルエレメントを交換する

 まず蓋を外すのですが、8mmのボルトで止まっています。下の2か所(赤〇)はボックスレンチで外せるのですが、上の1か所(黄〇)は、駆動部のエアインレットが邪魔で外せません。インレット外せば良いのですが、メガネレンチ使えば外せるので、メガネレンチで外します。ここからもオイルが出てくるので、オイル受けは必須です。蓋の裏側にはスプリングが付いています。初めての時、外した蓋を引っ繰り返したら、スプリングだけオイル受けに落ちていきました。その時は割りばしで救助です。蓋には直径5cmほどのOリングが付いています。奥に円筒形のエレメントが入っています。外しましょう。エレメントが刺さっている奥のパイプにも直径1cmほどのOリングが付いていますので、忘れずに交換して下さい。Oリングの取り外しですが、素手では難しい時には爪楊枝や竹串を使って外して下さい。

いざ、取り付けですが、ここでもポイント入れます。

エンジンと蓋が接触するところを双方掃除する。

パッキンが入る溝の所を双方とも綺麗にウエスで拭いて下さい。この辺の汚れはオイル漏れの原因になります。

そして新しいエレメントを入れます。エレメントの裏表間違えないように。新しいOリングを蓋に入れて、古いオイルを薄っすらOリングに塗って、蓋をします。蓋には、向きが有るので注意です。矢印が下向きです。

Oリングは蓋の溝にしっかり入れて下さい。8mmのナットを入れる時に溝から外れてしまったらやり直しです。3か所の8mmのナットを慎重に締め上げて下さい。

作業3 ストレーナを掃除する

 ここを外しても、オイルが出てくるのですが、センタースタンドの関係で小さ目のオイル受けしか置けません。排出されるオイルも少量ですので、小さ目のタッパーやバットが有ると良いです。2か所の8mmのボルトを外すと蓋が取れます。

蓋にはガスケットが入っています。交換部品ですが、キレイだったので再利用しました。交換する場合は、蓋に固着して剥がさなければ取れないと思うので、スクレーパーで綺麗に取らなければいけないです。ガスケットが破れたりしていなければ再利用でも問題ないと思います。ストレーナを引っこ抜きます。向きがあるので覚えておいてください。

  • 奥が狭くて、手前が広い。
  • 下向きにリップが付いている。
写真では、右が下向きです。

ここでも、しつこいですが、

蓋とエンジンの接触面を双方掃除する。

 ウエスでしっかり拭いてあげて下さい。接触面の汚れはオイル漏れの原因になってしまいます。 ストレーナを綺麗に掃除して、再度入れます。蓋を2か所の8mmボルトで締めこみます。締め付けトルクは10N・mです。

作業4 オイルを入れる

 全ての外したボルトが適正トルクで締め付けてあることを確認してからオイルを入れます。笑い話ですが、ドレインボルト締め忘れてオイル入れる人も珍しく無いらしいです。さすがに私はやったことないですが。

入れるオイル量ですが、まずはオイルフィラーキャップのゲージのMAXとMINの間まで入れます。量を図るときは、差し込むだけで締め込み不要です。入れ終わったら、一度オイルを循環させたいので、フィラーキャップをしっかり締めてエンジンを掛けます。1分ほどエンジンを掛けて、また1~2分放置した後に量をフィラーキャップのゲージで測ります。差し込むだけで締めなくても良いですよ。たぶん、オイルは減っていると思うので、再度追加で入れます。MAXとMINの間に入っていればOKです。MAXとMINの真ん中あたりが非常に良いですね。フィラーキャップを締めて作業は終了です。

作業5 オイル汚れを掃除する。

これも大事なポイントです。大事なので、2度書きます。

オイル汚れを掃除する。

と言うのは、作業後にオイル汚れなどを綺麗にしておかないと、作業後にオイルが滴っていても作業に伴う物なのか、オイル漏れなのかの区別がつかなくなってしまいます。ですので、作業後は作業箇所を綺麗に掃除しておく必要が有ります。パーツクリーナーとウエスで綺麗に拭いてあげるだけでOKです。

さいごに

 これで作業は終了です。作業自体は「オイル出して入れる」だけなのですが、いろいろ細かい作業が一杯ありますね。慣れてきたら1時間程度でできるのですが、我々素人は自分の愛車に時間単価を気にせずにゆっくり丁寧に作業することが出来ますので、素人の利点を生かしてゆっくり丁寧に作業して下さい。オイルに関する考察や利用したオイルの説明はまた後日書こうと思います。

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